連載 211
ミルクボーイの「湿布」と「伯父」というネタ、面白いです。
よく「フォーマットを発明した」と評されますが、実は笑ってしまう部分は、
内海の妄想にも似た根拠のないキメツケのところなわけで、フォーマットの決まっていない部分だったり。
問題
1 「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人だ」という名言で有名な、岐阜羽島駅の誘致に尽力した人物ともされる岐阜出身の政治家は誰?
2 発見者である「赤毛のエリック」というバイキングが、入植者を集めるために緑豊かであるとウソをついたことからその名がついた、世界で一番面積の大きいデンマーク領の島はどこ?
3 その風貌は作家の菊田一夫がモデルである、「本陣殺人事件」で初登場した、横溝正史が生んだ名探偵は誰?
4 48文、100文、200文、500文の4種類が発行された日本初の切手のことを、それに描かれた架空の生き物から何切手という?
5 アラビア語で「海岸」という意味の言葉に由来する、ケニア、タンザニア、ウガンダの公用語は何?
6 20世紀を代表する数学者グロタンディークが講演会で素数と言い間違えてしまったことから、「グロタンディーク素数」と呼ばれている、素数でない数は何?
7 現デンソーウェーブのエンジニア原昌弘が、仕事の休憩中に打った囲碁の盤面をヒントに発明したという、Quick Responseの頭文字から名前が付いた二次元バーコードは何?
8 日本のナンバープレートの地名で漢字四文字なのは2つ、「尾張小牧」と何?
9 中島敦の小説「光と風と夢」はサモアのウポル島で晩年を幸せに暮らす彼の姿を描いたものである、「宝島」「ジキル博士とハイド氏」などの作品で知られるイギリスの小説家は誰?
10 無線通信規格Bluetoothの由来となった、青い歯の王「青歯(せいし)王」の別名で知られる、10世紀にノルウェーとデンマークを無血統合に導いた王は誰?
解説!
1 「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人だ」という名言で有名な、岐阜羽島駅の誘致に尽力した人物ともされる岐阜出身の政治家は誰?
<大野伴睦(ばんぼく)> ※本名は伴睦と書いて「ともちか」。
↓夫婦で岐阜羽島駅前に銅像。
→この名言、3年の英作問題集で英語に直すので、覚えておいてねー。
2 発見者である「赤毛のエリック」というバイキングが、入植者を集めるために緑豊かであるとウソをついたことからその名がついた、世界で一番面積の大きいデンマーク領の島はどこ?
<グリーンランド> ※「赤毛の/ ポーン! ですな。
3 その風貌は作家の菊田一夫がモデルである、「本陣殺人事件」で初登場した、横溝正史が生んだ名探偵は誰?
<金田一耕助>※これは横溝がきちんと述べているので確定。
★ちなみに、菊田一夫 → 菊田一 →金田一 となった。
菊田一夫↓ (映画ではない)昭和のドラマ「君の名は」で有名な作家。
4 48文、100文、200文、500文の4種類が発行された日本初の切手のことを、それに描かれた架空の生き物から何切手という?
<竜文切手> ※同じフリで99人で出ました。もちろん48文で即効押し!
★日本初の切手「竜文切手」の4つの額面とは、→答え 48文(絶対コレ)
★銅板版画家の松田緑山(ろくざん)がデザイン、→答え 竜文切手
5 アラビア語で「海岸」という意味の言葉に由来する、ケニア、タンザニア、ウガンダの公用語は何?
<スワヒリ語> ※ハクナマタータ♪
6 20世紀を代表する数学者グロタンディークが講演会で素数と言い間違えてしまったことから、「グロタンディーク素数」と呼ばれている、素数でない数は何?
<57> ※有名エピソード。
↓なんかジョブズっぽいのう。
7 現デンソーウェーブのエンジニア原昌弘が、仕事の休憩中に打った囲碁の盤面をヒントに発明したという、Quick Responseの頭文字から名前が付いた二次元バーコードは何?
<QRコード>
★なぜ「現」としたかというと、開発時である平成6年当時の社名はデンソーだったから。愛知県の自動車部品メーカーです。
★よってQRコードの商標はどこが持つ?
(昔)答え デンソー →(今)答え デンソーウェーブ(←コチラで)
8 日本のナンバープレートの地名で漢字四文字なのは2つ、「尾張小牧」と何?
<伊勢志摩> ※この5月から交付なので、今なら答えはコチラかなあ。(尾張小牧は長い間唯一だった)
★漢字1文字→堺と柏
★ひらがな→いわき、つくば、とちぎ、なにわ(なにわだけ日本の都市名ではない)
9 中島敦の小説「光と風と夢」はサモアのウポル島で晩年を幸せに暮らす彼の姿を描いたものである、「宝島」「ジキル博士とハイド氏」などの作品で知られるイギリスの小説家は誰?
<スティーブンソン>
★スティーブンソンは喘息のために家族でサモアのウポル島に移住。そこで亡くなる。
★住民にも「ツシタラ(物語の語り部)」と呼ばれ慕われた。この小説のラスト一行が「トファ(眠れ)!ツシタラ。」という埋葬時の酋長の言葉ですからね。
★喘息もちの中島敦はこの小説を書いた後(影響されたのか)パラオに移住。しかし風土が合わず帰国。
10 無線通信規格Bluetoothの由来となった、青い歯の王「青歯(せいし)王」の別名で知られる、10世紀にノルウェーとデンマークを無血統合に導いた王は誰?
<ハラール1世> ※規格の異なる情報機器も統合しようということに由来。
★ハラール1世のH、ブルートゥースのデンマーク読み「ブロタン」のBをルーン文字にしたデザイン(↓)。
<コラム>
クイズを出題するうえで、最重要なのが「ウラ取り」。
本当なのか?を、きちんと確認する作業を意味します。
ここはすっごく重要であります。
もちろんネタに諸説が場合は「~とも言われている」「~という説もある」などで逃げられるのですが、
危ういのはパッと目にした1つのネタソースだけを信じてしまう場合です。
Wikiなのがその最たるもので、ここに書かれたネタが拡散して、あたかも複数に載っているように見えるのも正直アヤウイです。
ある日ネットで「フォアグラは日本で唯一青森県で作られている」というネタを発見。面白ーい。
問題にできるぞと思ってよくよく調べると、その施設は火災で焼けて、今はフォアグラを作っていないと判明。
教訓 面白いネタこそ、複数のソースでウラ取りを。
例をもうひとつ。
足のない幽霊=円山応挙でフッて、頭上に天使の輪を最初に書いた画家は?っていうのを出したいのですけど、これ某1つのソースが拡散しているんですよねー。
答えは「ジオット」(おそらく初めてハレー彗星を絵画にした人)なんですが、どうも別のソースがないので、問題に昇華できない。
逆にウラ取り作業の良い副産物。
それは他のいい問題が作れてしまうことです。
ジオットのウラ取り中にも
・ジオットはハレー彗星の探査機の名前にもなった。
・宮沢賢治の親友・保坂嘉内(かない)が描いたハレー彗星のスケッチは重要資料とされ、これをモチーフに「銀河鉄道の夜」を書いたらしい。
・「銀河鉄道の夜」の主人公カンパネルラとともに列車に乗るカンパネルラのモデルが保坂嘉内(かない)らしい。
とか、ネタが見つかります。
最後に、面白い問題を作る方法の一つを。
ネット検索で初めから「日本で唯一」とか「意外な親戚関係」とか「カッコいい現象の名前」とか打つんですね。
そうしたら、いろいろネタが出てきます。
煮詰まった時によくやる手法です。
もちろんウラ取りもキッチリとしましょう。
ではでは!